
静岡市清水区・見性寺
玄関先の2本の台杉と杉苔の組み合わせと3区間に分けて造られた御簾垣が印象的な静岡市清水区見性寺の庭です。
竹垣の間から飛び石を歩き玄関に抜ける空間がこの庭の見所で、季節の花を抱きかかえる優しいお地蔵様がお客様を出迎えます。背の高い台杉の縦の線と竹垣の横の線を対比させ強調し、庭全体に流れや奥行き感を演出します。
春にはモミジの新緑の爽やかさ、夏にはサルスベリやナツツバキの可憐な花、秋には紅葉を眺められ、冬でも台杉や竹の緑に心が落ち着きます。一年を通して季節の移り変わりが楽しめる庭です。
- 歴史ある山門ともみじ
入り口の正面に見える山門をバックに紅葉が美しく映えます。ヤマ造園で設計施工させて頂く以前からあった景色ですが、作庭の際には既存の庭に調和させ、全体の統一感を出しました。(写真1)
- 杉苔の築山
庭のシンボルである2本の台杉は杉苔で覆われた築山のなかに植栽し、景石を添えることにより台杉の存在感がより高まりました。苔には根の乾燥を防ぐ効果もあります。(写真3、6)
- 縦の線と横の線の対比
上に向かってまっすぐ伸びる台杉の特徴的な縦線をより強調するために竹垣は横の線で形成された御簾垣を選び、木曽石の景石も広い天端を上に据えて大杉との対比を楽しめる造りになっています。(写真3、5)
- 歩くことが楽しい庭
アプローチは御影の板石を使用し、きりっと引き締まった格調高い雰囲気であるのに対し、飛び石は対象的に自然の柔らかな形状のものを使用。全く違う形の石をつなげることによって歩く楽しみが生まれました。アプローチや飛び石以外にも景石や敷き砂利、縁石などすべての石材を茶系の色目のものを使用して庭全体の色調に暖かい統一感をもたせました。(写真2、4)